2019年9月22日号。<恐るべき小学生(後編)>

 おはようございます。ヨロンです。

 今日の午後から台風が九州に最接近するようです。関東も明日は雨になるようで、千葉で停電が続き、ブルーシートを張っている家では不安が続くことでしょう。あまりニュースにはなっていませんが、伊豆諸島の被災地も心配です。

 一昨日、大阪への福島原発処理水受け入れについて書いたところ、多くの意見や感想をいただきました。驚いたのは、とても丁寧かつ論理的に書かれたものが多く、科学的に説明していただいたものもあり、大変勉強になりました。
 先日の再生可能エネルギーに関してもそうですが、キーワードの固定観念で思考が進んでしまうと、事実関係を捻れて捉えしまうことがあり、それを実感しました。私としては公平かつ冷静に書いているつもりですが、難しい。また意見などありましたら、お送りください。しっかり読ませていただきます。

 昨日は、尾崎行雄記念財団の咢堂塾で、ネット選挙について講義してきました。
 内容は今まで書いてきたようなことですが、自分の頭を整理したり、新たな考察を加えたりして、自分の頭の中に区切りを付ける意味でも良かったと思います。
 尾崎財団といえば、昨年の4月21日に行われた勝谷さんの講演を思い起こす人も多いでしょう。
 あのころは、喋りもかなり不安定になっていて、1時間程度予定されていた講演も、30分くらいで終わってしまいそうになり、写真を取りに行っていた私はハラハラしながら見ていました。
 それでも、文字起こしされた講義録を見ると、しっかりした内容になっていましたし、勝谷誠彦ならではの内容は、参加者を満足させるところもあったと思います。まだ1年前なんですね。

 以前お知らせした、大阪で行われる長居パークマラソン(フルマラソンリレー)での、打ち上げ参加希望者を募ります。
日時は10月27日(日)18時から、場所は大阪天王寺あたりで考えています。
 大会に参加する12名の打ち上げとなりますが、せっかくなので希望される方には来ていただこうと考えました。店を決める関係上、人数を把握しなければならないので、参加を希望される方はこちらからご登録ください。締切は25日18時です。
https://seironsuigei.jp/events/15072/

 一周忌イベントは11月か12月に開催する予定です。こちらは、東京と大阪(または兵庫)で考えていまして、最近イベントプロデューサーとして実績を積んできているT-1君が主体となって進めます。

 今日は、先々週に続いて、翻訳家の漆嶋稔さんの「恐るべき小学生」を掲載します。後半のPart3、Part4となります。
 前回は9月8日のメールをご覧ください。

 他のコラムなどと毛色の異なるものが新鮮でもあり、さまざまな感想も寄せられました。漆嶋さんには後日談も書いていただいたので、来週お送りします。

—– : —– : —– :

(十数年前の実話であります)

漆嶋稔(翻訳家)

<恐るべき小学生 Part 3>
  先般来の「恐るべき小学生」は、弊立派な拙宅の夕方の常連客として、毎日居間で「クエッ、クエッ、クエッ♪」という、昔の「花の応援団」のような歌(アニメの主題歌らしい)を歌ったり、どこかで覚えたダンスを踊ったりします。

 一方では。
「ねえ、これって底辺かける高さ割る2だよね」という声が聞こえるときもあれば、「今日の新聞を見せてください。宿題で必要なんです」という申し出をなさり、宮崎日日新聞とか日経新聞を読んだりしています。「この新聞、わかんないやー」という悲鳴も聞こえますが、小学五年生で日経が読めたら、それこそ末恐ろしい。

 そんなこんなで、うら若き少女隊は殊勝にもお勉強もしっかりやっておられるので、立派な近所のおじさんとしては、ご褒美のつもりで一足早いクリスマスプレゼントを差し上げました。坂本竜馬氏の京都の隠れ家だった酢屋さんの木製置物であります。

 すると。
 翌日のお昼、少女隊が珍しく玄関のチャイムを鳴らしました(いつもは、家の横経由で裏庭から入ってくる)。「おじいちゃんからお礼にこれを持って行けと言われました」「はい、ありがと」。見ると、ご自宅で栽培されているという生椎茸がビニール袋に一杯ありました。
 こんな感じで、地域の方々との交流が緩やかに進んでいくのでしょう。

ではまた。

<恐るべき小学生 Part 4>
  小学五年生女子の二人組は、今月から晴れて小六生とはなりにけり。 先月はほとんど姿を見せなかったので、「ああ、移ろいやすきは子供の関心なり」と、多少寂しいものがありました。

 ところが。
 今月に入ると再び二人組が登場するようになりました。平日の午後三時半から四時頃に自転車にて、雨天時には徒歩でわざわざ傘を差してまでいらっしゃいます。先週などは週五日出勤でした。

 いらっしゃいますと、当方は気候勘案、「お茶は熱いのにする?それとも冷たいので?」とご注文を受け付けます。ただし、茶菓子は一緒に出しません。でも、緑茶の場合ともかく、ほうじ茶か玄米茶の場合、「あのー、何かありますか?」と仕事部屋にお尋ねになります。 ケチと思われたくないわたくしは、事前にこれを予想してそれなりに準備した煎餅などをお出しします。わたくし、やはり小心者なのです。

 さて。
 昨日は午後二時に登場なすったので、「今日はえらい早いけど、どうしたの?」と聞くと、
「家庭訪問の日だから」との答えあり。 ふむ。先生は生徒の家庭を訪問し、生徒は弊立派な拙宅を訪問するという図式なのね。それから恒例により午後五時過ぎまでテレビを見たり、和室にて逆立ちでドタンバタンしたり、宿題を片付けたりして、「ありがとーございました」とお声をかけていただいてお帰りになりました。

 ふとテーブルを見ると、「?」。煎餅が一枚とメモ用紙が置いてありました(煎餅をわざわざ一枚残しているところが心憎い)。

 おおっ!久方ぶりに彼女らからのメッセージが。 私信といえば私信でしょうが、ちょいと感動してしまいましたので、ここでご案内申し上げても、お天道様もきっとお許しくださるでしょう。
 小六Aさん:
<○○さん、いつもいつもおいそがしいのにお茶やおかしを下さってありがとうございました。私は、いつもいつも○○さんにかんしゃしています。ほんとうにありがとうございました。おかしとかがないとき「ない」といってください!>

 うむうむ。多少の混乱はありますが、感謝の気持ちがよく伝わってきます。お菓子がないときは「ない!」とゆってくれ、という当方への気遣いもなかなか大したものです。

 さて、小六Bさんはどうか:
<○○さんへ。いつもお世話になっています。バレンタインのお返しなどもありがとうございます。最近毎日のようにきているので、ごめいわくをおかけしていることだと思います。本当にすみません。それと、おそくなりましたが、お茶とおかしをいつもいつもありがとうございます。○○さん家で勉強していると、とっても、はかどります!迷わくな時は、いつでも、いって下さい。ちゃんと聞きます。それと、今日は、お礼として、お茶わん(コップなど)洗っておきます。本当に毎日、すみません。そして、ありがとうございます。>

「いつもお世話になっています」
 凄いなあ。こんな表現を使えるとはたいしたものです。社会人でもできないことがあるのに。どこで覚えたのでしょうね。

「バレンタインのお返しなどもありがとうございます」
 実は、Bさんから手作りクッキーを頂戴したのであります。これを快挙と言わずして何が快挙か。世間のおじさんを勝手に代表して御礼申し上げたい。

「ごめいわくをおかけしていることだと思います」
 成長の跡が窺えますね。小学生にしてこのような文章表現ができるとは。ちょっとしたオトナ的日本語ではないですか。

「勉強していると、とっても、はかどります」
 この子は確かによく宿題をやっています(Aさんがもっぱら逆立ちしているのは、クラスが違うから宿題も違うのでしょう)。この年齢でこれほど熱心に宿題をこなしていれば、これから結構いい線いくのではないかと期待できます。

「迷わくな時は、いつでも、いって下さい。ちゃんと聞きます」
 大人でもなかなかこうは言えないでしょう(逆に、オトナだから言えないときも)。相手の事情をしっかり慮っておられるとは、やはりよくできたお子さんです。

「お礼として、お茶わん(コップなど)洗っておきます」
 涙腺が緩みそうです。自分ができることを自分の頭でちゃんと考えておられるのですね。

 いろいろ殺伐とした話がやたらに多い昨今ですが、南九州のとある盆地では、こんな良い子がお二方ほどシミジミと成長しておりますので、ひとつご案内申し上げた次第であります。

ではまた。

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