2020年5月31日号。<テレビの活用、ビニールシート越しの乾杯…唸るものから笑えるものまで / エッセイ【年末年始の情景につひて(その二)】:漆嶋稔>

<テレビの活用、ビニールシート越しの乾杯…唸るものから笑えるものまで / エッセイ【年末年始の情景につひて(その二)】:漆嶋稔>

  おはようございます。ヨロンです。

 前回の観音さんの「逃亡の旅」で、「熊本城復興城主」についての記述があり、「蒲島郁夫知事の側近だった、総務省の木村敬さんに解説をお願いしたい」と書いたところ、木村さんからコメントをいただきましたので、そのまま紹介します。
<「熊本城復興城主」は絶賛募集中です。
https://castle.kumamoto-guide.jp/fukkou/
<1口1万円以上でご寄付頂ければ、城主の証「城主証」と優待証「城主手形」が発行され、城内の施設にあるデジタル芳名板に城主のお名前として掲載されます。
「城主手形」の優待は東京都内でも特典のある店舗が数店あります
またこの寄付は税制優遇のある「ふるさと納税」扱いでの寄付も可能です(上記サイト参照)。
完全復旧まであと16年程度かかる「熊本城」の再建を城主になって一緒に体感してください。
絶賛募集中ですのでよろしくお願いいたします。>

 城マニアのような人も多いですし、熊本にゆかりのある人がこのような形で復興のお手伝いができて、さらに城主にもなれるということであれば良いですね。
 現在どんな状況か見てみると、昨年10月末現在で
寄付総額
復興城主:2,155,758,535円:104,910件
熊本城災害復旧支援金:2,067,067,704円:22,421件

 見慣れない桁数で一瞬金額がわからず、「2百万円くらいかあ」と思ったのですが、21億円ですね。そして10万人の城主。「ふるさと納税」扱いの寄付も可能ですし、城主ともなれば、自分の城を見に行くでしょうから観光としても効果がありそうです。


 熊本県というと、こんな試みも注目されています。
<テレビで学習、親子で楽しむ 放送局連携の「熊本方式」に全国が注目>
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/609012/
<新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため全国の多くの小中高校で休校が続く中、地元のテレビ局と連携し、身近な教員らが出演する熊本市の学習支援番組が好評だ。インターネット機器の有無など受信環境に影響されるオンライン学習より情報を広く共有でき、親子でも楽しめることが利点。手軽なメディアの活用に保護者のニーズは高く、熊本発「テレビの学校」がじわりと広がっている。>

 ここで大事なのは「テレビ局と連携し」というところで、オンライン授業が全国的に行われている中で、ネット環境が弱かったり、受信機器の普及率が低かったりする子供たちをフォローするという意味でも効果はありそう。自分の先生がテレビに出ているというのも、子供たちは誇らしい気持ちを持つかもしれませんね。
 費用的な問題はありそうですが、記事にもあるようにサブチャンネルの有効活用として考えるのもアリ。日本はアメリカほどケーブルテレビの普及率は高くないものの、それでも地元に密着したケーブルテレビはあるので、民法やNHKだけでなくケーブルテレビ局も参加したテレビ授業をもっと多くの地域で採用していくと良いのでは。

 ちなみに、全国のブロードバンド状況というのが発表になっています。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000690172.pdf
 これを見ると、昨年3月末時点で、全国平均は98.8%。最高は神奈川県の100%で、最低は長崎県の91.8%です。離島や山間地が多いところでは整備が遅れているようですが、長野県が99.5%と平均よりも高いのは、盆地に住宅の多くが集中しているからかな。観光地が多く、ネット環境が整備されているということもありそう。

 オンライン教育の重要性が説かれて導入が進められていますが、100%というのは無理。オンラインではなくても、教師の質の差や地域の差があるわけなので、こうして複数の手段で格差を少なくしていくという試みは良いと思います。


 緊急事態宣言解除でいろいろな試みが行われていて、「これは良い!」というものから「う~ん、どうなんだろう」というものまでいろいろあります。
 例えばこれ。ライブハウスの試みとしてこんなものが出てきています。愛知県豊橋市のライブハウス「AVANTI」。面白いんだけど、ちょっとこれは盛り上がれなさそうです(笑)。
<ライブハウスじゃないもん!(笑)>
https://avanti.dosugoi.net/e1139878.html
 ステージと客席の間を大きなシャワーカーテンで仕切るというものです。
 映画「ブルース・ブラザーズ」で、金網を張って「ローハイド」を演奏したシーンを思い出します。あのときは、客席から投げられる飲み物や食べ物を金網で受けていたのですが。
 「ブルース・ブラザーズ」はオススメ映画にもしています。私は5回は観ているかな。映画館で3回、テレビで2回。泣くほど感動するわけではなく、腹を抱えて笑うことも無いのですが、テンポが良くて音楽を聞いているだけでも楽しめる映画です。出演しているミュージシャンは超一流で、ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドのコンビも映画史に残る名コンビ。書いているうちに、また観たくなってきました。


 盛り上がれなさそうな試みとしてはこんなのも。
<ビニールシート越しの乾杯、客席半数の劇場… 新型コロナとの長い付き合い模索>
https://news.yahoo.co.jp/articles/1b82d79ba5107c2b2f852aba528e4bb4fd59ad8e
<「乾杯!」。午後6時、東京都新宿区の居酒屋「KICHIRI新宿」では、飛沫(ひまつ)防止のためテーブル中央に設置されたビニールシート越しに来店客が会話や飲食を楽しんだ。
 感染防止のため、店員は店の入り口に設置されたモニター画面を通じ、客に席を案内。マスク姿で、料理に透明な蓋(ふた)をかぶせて運ぶ。宣言解除前と比べ、客は倍に増えたという。>

 ここまで来ると滑稽です。隣の席と仕切るのであればわかるけど、一緒に飲む相手はお互いに感染していないのが前提だろう、と突っ込みたくもなります。恋人同士だとどうなんでしょうね。このあとチューするときもビニールを挟むのだろうか。手を繋ぐのも手袋するのだろうか、とか……冗談ですが。
 あとになって見ると「あのときは馬鹿なことをやっていたなあ」と笑えるようなものになってもらいたいですね。


 漆嶋さんのエッセイも、先週に続いて飲み屋での情景です。坂本龍馬フリークが集まる店ということで、そんな格好をした人は来るのだと思いますが、店に入ってくるときは、現代版龍馬もマスクをしているんですね、きっと。
 しばらくは現代の龍馬もマスクは必要とされますが、早くマスクのいらない生活に戻りたいものです。


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【年末年始の情景につひて(その二)】

 漆嶋稔(翻訳家)

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