おはようございます。ヨロンです。
昨夜の『新・血気酒会』は、結局1時間になってしまいました。このあと書きますが、日本酒の「アナログ回帰」的な方向性も見えて、なかなか興味深い話を聞くことができました。
酒の話はこのあたりからご覧いただけます。また、ポッドキャスト版も今週中には公開します。
https://youtu.be/bG7n-Whmp9E?t=1755
昨日のメールで「プレートテクトニクス」と書いたところ、「プルームテクトニクスの間違いです」という指摘をいただきました。そのとおりです。すみません。間違えました。2月22日のメールでは、ちゃんと「プルームテクトニクス」と書いたのですが、まだ自分でもよくわかっていないということですね。
簡単に言うと、「プレートテクトニクス」とは、地球の表面を覆っている硬いプレート同士の相互作用によって、地震や火山の噴火を引き起こすという理論で、「プルームテクトニクス」は、さらに地中深くのマントル対流の動きが、プレートを動かす原動力になっているというものです。プレートの水平運動に加えて、プルームは垂直運動となり、プルームテクトニクス理論は、プレートテクトニクスも含んでいる。という理解ですが、もし間違っていたら指摘お願いします。
「盗人たけだけしい」の訳のもととなったのは、「賊反苛杖」ではなくて「賊反荷杖」で、「苛」ではなく「荷」ということのようです。先日紹介した、韓国語の通訳をやっているKさんが教えてくれました。
こちらの毎日新聞の記事がわかりやすく書かれています。有料記事ですが、無料部分のところで十分理解できます。
https://mainichi.jp/articles/20190807/ddm/007/030/130000c
さらにもう一点。
小泉進次郎氏と滝川クリステルさんの「できちゃった婚」については、クリステルさんの年齢的な指摘も来ました。40歳を過ぎると自然妊娠が難しくなるので、妊娠ができたことを確認してから結婚に至ったのではないか、という推測です。一部を引用させていただきます。
<通常、40歳を過ぎて自然妊娠をする確率は、かなり低く、特定不妊治療を行っても、妊娠・出産に至る確率は、一桁パーセントです。
小泉さんとしては、跡取りをつくらなければならないため、特定不妊治療をしたうえで、妊娠し、安定期に入ったことで結婚に至ったのではないでしょうか。>
これも説得力のある話ですが、妊娠できなかったら結婚しなかったということになり、もし生まれてくる子が女の子だった場合は、クリステルさんは肩身の狭い思いをするのだろうか、と他人事ながら心配にもなります。
いずれにしても、年齢的なものから「子供を作るのであれば早く」という意識はあったのかもしれません。
今日は、時事ネタではないのですが、興味深いニュースを見つけたのでご紹介します。
昨日の血気酒会で、最近の日本酒が「ここだけでしか作れない味」を極めていく傾向にあるという解説が依田さんからありました。そこにしか無い菌が酒に影響するとか、あえて米を磨かずに、米の雑味を酒の個性としていく話です。
これは「アナログ回帰」ではないか、と私は感じました。電子楽器の世界でも、デジタルでの音作りの方向にある程度行ってから、アナログ的な音を求める流れも出てきました。その原点となったのが、TR-808というローランドのドラムマシンです。
40年前に、「機械が生のドラムの音を再現する」というコンセプトで開発がスタートして発売されたTR-808。
しかし、当時のハードウェアの制約から、再生されたのは生のドラムとは思えないような音で、最初は酷評されました。
その後、改良を重ねていき、音源がデジタルになって生音がPCM録音されて再現されるようになったことで、ほぼ完璧な生ドラムの音を出せるようになりました。
ところが、ダンスミュージックが世界のトレンドとなり、このTR-808のドラム音が個性的な音として再注目され、爆発的なヒットに繋がっていくのです。
すでにディスコン(生産終了)となっていたTR-808は、今でも高額で中古品が取引されたり、同じような音を出せるクローン製品が開発されています。ソフトウェアで音を再現したものも多く出回っています。しかし、これらはほとんどTR-808の音をサンプリングして再生させたもので、いわば「コピー品」だったので、TR-808を超えるものはありませんでした。
今回、TR-808の開発者である菊本忠男さんと当時の開発者が、このTR-808をソフトウェアで完全再現させたというニュースがありました。サンプリングでもモデリングでもなく、「アナログの作法を再現した」ということで、原理はかなり難しいのですが、要はTR-808を超えるTR-808を開発した、ということのようです。
<TR-808の開発者、元Roland社長の菊本忠男さんが40年の時を経て、新バージョンRC-808を発表。度肝を抜くサウンドと拡張性を持ち無料でリリース>
https://www.dtmstation.com/archives/80808.html
<本日、8月8日、808の日、TR-808の歴史が大きく塗り替えられます。TR-808の上位版もしくは新バージョンといっていい、新ドラムマシン、RC-808が誕生し、これが無料配布されることになったのです。開発したのは40年前にTR-808を開発した菊本忠男(Tadao Kikumoto)さんと、当時ローランドでTR-808を開発していた通称アナログマフィア(Analog Mafia)のみなさん。もちろん、みなさんすでにローランドを引退しているのですが、今も現役バリバリの技術を持ったエンジニアたち。40年前「本当はTR-808をもっと、こうしたかったけれど、当時の技術、当時の予算では成しえなかった」という悔しい思いを胸に、最新のテクノロジーを活用し、その理想を実現させたのです。>
過去のメールを検索したら、昨年の12月8日に菊本さんのことを少しだけ紹介していましたね。私が浜松の研究所にいたころの上司で、おそらく年齢は70歳を過ぎているのではないか。5年ほど前の忘年会でお会いしたときは、「今、自分でドローンを作って飛ばしているんだよ」と話していました。ドローンを買ったというのではなくて自作したというのが菊本さんらしいと唸ったものです。
菊本さんがローランドに入ったきっかけが面白く、最初に自分で取った特許を持って、「これを買って欲しい」とローランド創業者の梯郁太郎社長のところに行ったとき、梯社長は特許を買うのではなくて、菊本さんを買ったのでした。つまり会社にスカウトして入れてしまったのです。
そこからTR-808/TR-909/TB-303という、ダンスミュージック界ではレジェンドとなった製品を開発していきます。そして研究所長として開発の陣頭指揮を取ってから一度は社長に就任するのですが、「俺は社長は向いていない」と言って、研究所長に自ら戻ってしまいました。
実は、ローランドにはそういう開発者が多く、取締役になっても「現場が良い」と言って部長に降格させてもらった同僚もいました。
すでに引退した老人たちが、開発者だった若かりし頃の夢を最先端の技術で実現する。しかも、それを「TR-808を愛してくれた人たちへの感謝」として無料で公開する。
『バトルシップ』というSF映画があります。
予告編
https://www.youtube.com/watch?v=wjUsm4yCTl8
最新鋭の戦艦がすべて宇宙人にやられてしまい、最後に展示中だった昔の戦艦と退役軍人が立ち上がるというストリーなのですが、まさにそれを彷彿させる菊本忠男とアナログマフィア。
私もこんなイカした爺になりたい。
では、良い一日を。