2023年12月3日号。<不肖・宮嶋からの手紙>

<不肖・宮嶋からの手紙>

*:12月5日 「不肖・宮嶋からの手紙」を最終稿に更新しました

 不肖・宮嶋こと宮嶋茂樹から難解な手書きの原稿が、日々巨大な天然河豚(これを「イルカ」と読んだヨロンは阿呆であった。ちなみに、「イルカ」は「海豚」である)を捌いているスナイパー坂居に届いたのは、ヨロンが食料安全保障の重大さを意識せねばならないと自覚した11月下旬であった。

「これは、文春や丸よりも早く誠論酔藝の読者に届けなければならない」と「義」に燃えたスナイパーは、古代文字より難解な勝谷文字を解読するがごとく、寝る間も惜しんで便箋と格闘し、ついに全文文字起こしに成功した。

「ヨロンさん、こ、これをぜひ読者に届けてください。原稿料はいりません。ただ、感想をいただきたい。宮嶋先輩に届ければ、どれだけ砲弾飛び交う戦地に向かう魂に、火をつけることができるか」

 激励のコメントや感想を、
stealth@seironsuigei.jp
までお寄せください。

 そのままスナイパーに転送し、彼が夜なべをしてまとめ、すべてを宮嶋さんに送ります。

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不肖・宮嶋、畏れ多くも皇居半蔵門近くのJCIIフォトサロンで丸一カ月の間写真展を開催していた。

何も貴重な本紙頁を割いてまで、おのれの作品展を宣伝するつもりはなかったが、ここはイスラエル大使館と目と鼻の先でもある。

必然、この時期新宿通りを練り歩く、デモ隊のシュプレヒコールが風に乗って聞こえて来る。室内におっても聞こえるくらいや。風向きによっては皇居におはす天皇陛下のお耳に届いとるかもしれん。

『何やっとんど!!岸田政権も警察も!!』さらに近くには半蔵門病院もある。
我が国には静穏保持法という法令もあれば、国際条約では国家はお互いの外交官の安全を保障する義務を課せられとるのである。それを“愛国”無罪を言い訳に、時の政権が日本大使館や領事館近くでの反日集会やデモを煽ったり、投石や攻撃を黙認する韓国政府や中国共産党政権やあるまいし…。

そりゃあ確かに日本には“戦後”「表現の自由」や「結社の自由」を保障したケンポーはあるで。ガッコのセンセも道徳の授業では、自由と平等さらに権利やの命の大切さは執拗に説いて下さったやろ。自由と責任、権利と義務、平等と競争が表裏一体やということはムシして。

せやけど、そんな自由と権利の名の下に何やっても許されたら、それこそ布教と教団のためなら殺人から無差別テロまで引き起こしたオウムの疑似国家と同じや。

帝都のまん中で軽々しくパレスチナへの連帯をほたえるおどれらも、そこまで考えてのことやろな。

いや…欧米では東京の比やないで、ロンドンでは30万人やて、主催者発表でもすごいわ。

しかしおどれらが連帯を表明し、命と自由と権利を守れと言うパレスチナ人が、2006年“公正”な選挙で選んだ“政権”が「ハマス」やで。そのハマスが二月前何をした?イスラエル領内の民間人の頭上に何千発ものロケット弾を降らせたあげく、1400人以上の丸腰のイスラエル人を無差別に殺りく、200人以上の老若男女を人質としてガザに拉致し、拷問まで加えとったんちゃうんかい。おどれらも見たやろ。

血まみれの若い女性を後ろ手に縛り人質として車につめこむ様子を。老婆や幼児まで、まるで荷物のようにトラックの荷台に載せ、ガザに連れ去る映像を。
地上波のニュースでもやってたけど、あれらもTBSやあるまいしフェイク画像やとこくのか?やっとる事は北朝鮮工作員と同じ“りっぱな”無差別テロやんけ。

つい一週間前やで。我が国日本郵船の貨物船がイエメンの反政府勢力「フーシ派」にシージャックされたんは。これモロ ハマスと連帯したテロリストのしわざやんけ。やっとる事はソマリアの海賊と同じやんけ。海域も近いし。

ええんかえ?テロリストと連帯して。おまえらもテロリストになってまうど。

これまたイスラエル大使館のすぐ近くや、駐日パレスチナ代表部は。何でそこには「イスラエル人の人質を即時全員解放せよ」やの「停戦しろ」やのデモかけんの?

あんたらがデモ行進の前の集会でカンパした浄財は、ハマスがイスラエル人を殺す武器に使われるか、ドーハやドバイで安全に五つ星ホテルで暮らすハマス幹部の生活費に充てられるんやで。

あのノーベル平和賞までもろたPLO(パレスチナ解放機構)のアラファト議長さえ、スイス銀行の口座やらに4500億円もの遺産をためこんどったぐらいや。その遺産はパレスチナ難民に使われるどころか、レバノンでカルロス・ゴーンなみに悠々自適の生活つづけとった若き未亡人が総取りや。

そんな指導者に率いられたパレスチナのハマスによるイスラエルに対する攻撃は善で、それに報復するイスラエルは悪というのね。

確かにイスラエルの攻撃は情け容赦ない。病院やろうが学校やろうが、そこに人質が捕らわれていようがどんな理由でもためらわず攻撃する。「そこがハマスの基地になっている」と言う理由だけで。

しかし、それはハマス相手だけとちゃうんやで。

不肖・宮嶋も2006年レバノン紛争中、レバノン南部の町スールで2週間、イスラエル軍の攻撃下にさらされた。その時のイスラエルの敵はレバノン軍ではなくハマスのようなイランから武器支援されたレバノンの武装組織ヒズボラ。その際もイスラエルは、国連やろうが、赤十字やろうが、この町で動く物はすべて攻撃した。不肖・宮嶋もイスラエル軍のアパッチヘリからヘルファイアミサイルを撃たれ、乗っていた車はズタズタにされ、翌日運転手は一人でどこぞに逃げてしまうわ、結果2週間孤立、昼夜問わず銃声に震えつづけるだけであった。

ガザはそんな、レバノンどころではない、1948年のイスラエル建国時…どころか聖書の時代にさかのぼっても、その数千年ずうとユダヤ人は迫害されては血みどろの戦いをくりひろげ、第二次大戦中はナチスにより600万人という途方もない同朋を虐殺された後、やっと1948年パレスチナの地で建国を果たしたのである。しかしそれで終わりでは到底なく、そこはすでにパレスチナ人の土地であり、そこに無理くりユダヤ人が入植し始めたもんやから、エジプト、ヨルダン、シリア、レバノンとまわりのアラブ人国家は、いや地球上すべてのイスラム教国家が敵に回ってしまったのである。

さらに建国直後からそんな数と兵力で圧倒的優利とされたアラブ連合国相手に四度に渡る戦争にことごとく勝利し、そのたんびに領土を拡大しつつ、軍備や「モサド」という世界最強の諜報機関を充実させ、次なる戦いに備えてきたのである。

ちなみにイスラエルは世界で数少ない女性にも完全兵役義務があり、兵役が済まないうちは旅券も発給されないくらいである。
他にはノルウェー、スウェーデン、北朝鮮等や。
北欧2か国は幸福度が高いと言われるが、これこそジェンダーフリーやろ。
かわって我が国はどや?せめて男性だけでも徴兵したら、自衛隊の定員割れは一発解消や。いかん!そないなことになったら、稲田朋美センセイや福島瑞穂弁護士センセイの尻馬に乗って体は男やが、心は女よ、なんてこきだすやつが増えるだけか。
厚い福祉をしく北欧を理想と謳う政治家、評論家センセイもなんで北欧の女性兵役義務に関しては知らんぷりなんやろ?

つまりはや、イスラエルは安全保障に関してはちょっとでも弱みを見せると、たちまち周囲の敵国から領土を奪回され、やがて喰い尽くされてしまう状況やったのである。

そしていったん獲得した領土と国民の命と安全を守るためなら、いかなる犠牲を払ってでも何でもやってきたのである。
まさに「目には目を歯には歯を、さらにテロにはテロで」と、本家イスラムのハンムラビ法典も真っ青なぐらい、いったん報復するとなったら国連決議も国際世論も馬耳東風とばかりにムチャをやってきたのである。
イラク原子炉爆撃、アドルフ・アイヒマン誘拐事件、映画にもなったミュンヘン五輪事件主謀者暗殺事件に「エンテべの奇跡」しかり…等、枚挙にいとまがない。
今回もハマスを殲滅させるまで徹底的に戦いをつづけるはずである。

さらにさらにや、イスラエルの首都エルサレムは、ユダヤ教はもちろん、キリスト教、イスラム教という三つの宗教の聖地でもある。つまりはや、パレスチナ問題とは領土に民族、宗教が数千年に渡り、からみに絡みつづけ、その間も憎悪を増幅しつづけた結果、この地球上でイスラエルかパレスチナかどちらかが潰えるまでつづくのである。

今もつづくロシアによるウクライナへの侵攻のような善悪が明白な侵略戦争と全く質を異なるのである。

そんな紀元前からつづく争いに、平和ボケした日本人が安っぽいヒューマニズムを振りかざし、軽々しく是非を説くべきとちゃうのである。

しかし、そんな日本人もパレスチナ問題に関わった歴史がある事はパレスチナ連帯を児童に「オルグ」しようとした日教組のセンセは教えてくれんかったやろ。

第二次大戦下、当時リトアニアの日本領事館に赴任していた外交官杉原千畝が日本の親独外交政策に反しても数千人のユダヤ人に日本の通過査証を発行し、その命を救った事はあまりに有名やろうが、当時の軍人ハルピン特務機関長だった樋口季一郎、後の陸軍中将も大戦中ナチスの迫害を恐れソ・満国境まで逃げてきた二万人ものユダヤ人の満州通過を認め、後、ほとんどがアメリカ亡命を果たせたんは知らんかったやろ。
その樋口中将が第二次大戦”終戦後”にも関わらず北方領土に侵攻したソ連軍と戦い、結果ソ連による北海道占領を防いだなんてことはもっと知らんやろ。

そんなナチスによる大量虐殺からのがれ生きながらえたユダヤ人が現在パレスチナ人に対し虐殺とも言える迫害をつづけているのも歴史の皮肉である。

さらに「世界同時革命」の夢に酔い、その敵アメリカとその支援国イスラエル憎しからパレスチナ解放運動に身を投じた短絡的な日本人もいた…いや今もおるのである。

現在も「パレスチナ連帯」を叫びデモ隊が担ぎ上げている「重信房子氏」は“日本赤軍”のリーダーの一人やったのである。

日本赤軍…今の日本の平和ボケした学生さんらは想像もできんやろうが、1960年代から70年代にかけて、学生や革命労働者らが中心となり「日本共産主義化」を目的に「世界同時革命」の名の下に銀行強盗に銃砲店、警察署襲撃と悪事の限りを尽くしていたのである。日本国内で革命ごっこに明けくれてる間ですらこの悪業三昧である。

それが現在のハマス顔負けの、当時のパレスチナ軍事組織PFLP(パレスチナ解放戦線)とつるみだしてからは世界を股にかけ「ハイジャック」に「爆破事件」に「大使館占拠」と第一級のテロ事件をつぎつぎ引き起こしていたのである。

その中でも最も凶悪残虐な事件が「テルアビブ空港乱射事件」である。重信房子の戸籍上の義弟であり日本赤軍の幹部でもあった奥平純三ら三人の日本人がイスラエルのテルアビブ空港という民間の空港ターミナルで自動小銃を乱射するわ手榴弾を爆発させるわ24人もの観光客が死亡、80人が重軽傷というとんでもない無差別テロ事件を起こしよったのである。

そんな日本赤軍を率いていた重信房子がどういうルートで、だれの手助けか知らんが日本に密入国。しかし2000年11月悪運尽き大阪で逮捕され懲役20年の刑を打たれたのであった。そして昨年刑期を満了して出所した際は大新聞、大手テレビ局の記者が暴力団の親分なみに出所「お祝い」にかけつける始末である。
本人もそんな26人もの民間人を殺したテロ事件を今も反省するどころか再評価する始末であった。

しっかし、そんな日本人テロリストが“パレスチナ”で引き起こした空港乱射事件も、今回ハマスがイスラエル領内で民間人を殺害したり誘拐した事件も、テロ事件としたら同じやろ。それはいかなる言い訳をこいても正当化するのはムリや。かと言うてそれに対するイスラエルのパレスチナに対する民間人いや人質の生命すら犠牲にしてもためらわない姿勢を非難する資格も日本人にはあるの?

しかしそんなパレスチナ問題から日本人が学ぶべき点もある。

周囲が敵だらけという点では海を隔てているが、我が国も同じである。

ロシア・中国・北朝鮮というすでに核保有国三国に囲まれとるから、建国当時のイスラエルより深刻や。

そんな我が国は戦後どうやってきた?

周囲の“敵国”の顔色伺うどころか、中国や朝鮮半島にはODA(政府開発援助)や経済援助までめぐんでやっとったおめでたぶりや。

それに対しイスラエルはイラクやシリアが建設中やった原子炉や核関連施設を戦闘機が越境して空爆して破壊。敵国の核保有を阻止したんや。

我が国もイスラエルみたいに北朝鮮が核兵器開発中の2016年までに原子炉空爆しとけば、世界は今よりもっと平和で安全やったはずや。

イスラエルのように戦の度に領土を拡張させたのと逆に、我が国は今も中国が我が国沖縄県尖閣諸島周辺海域を侵しつづけてるばかりか、EEZ(排他的経済水域)内にブイを仕掛けられても、撤去どころか「イカン」としかよう言わんのである。

それどころか島根県竹島を今だに不法占拠しつづける韓国大統領をG7サミットにお招きするぐらい平和ボケっぷりや。おかげで我が国領土は、北方領土に竹島に尖閣諸島周辺海域まで敵国に奪われ、沖縄本島もやがて中国の一省になり果てるは必至や。

我らが岸田首相、そんな国民の生命・財産・安全を守り、領土を奪回するために、世界を敵に回しても戦う覚悟はおありや?

いや到底ないわな。国際世論どころか国内の「増税」世論にさえおびえ、今だ日本人拉致被害者を返すどころか、中途半端な核兵器で我が国や自由主義世界を恫喝する北朝鮮一国相手ですら、新たに経済制裁一つ課すことすらできず、我が国EEZ(排他的経済水域)に仕掛けられた目障り、危険きわまりない「ブイ」一つ、よう撤去せんやないか。
あれ「機雷」やったらどないする?

そのあたり、イスラエルを見習ろうたら、ちったあおんどれの支持率も上がるんちゃうか?

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