2020年3月15日号。<オリンピック開催をIOCとWHOの動きから読み取る / 安倍首相会見は不安な国民を安心させるためのもの / エッセイ「阿吽の呼吸について」:漆嶋稔>

<オリンピック開催をIOCとWHOの動きから読み取る / 安倍首相会見は不安な国民を安心させるためのもの / エッセイ「阿吽の呼吸について」:漆嶋稔>

 おはようございます。ヨロンです。
 昨日の関東は寒かった。横浜も東京も真冬の寒さで、風邪ひきそうでした。
 そんな中、山手線に「高輪ゲートウェイ」駅が開業となり、多くの人が殺到していました。私が事務所の帰りに通った20時くらいには、山手線の車両内で「本日の日付入りの切符はご購入できません」とアナウンスしていました。新型コロナがなければもっと混雑していたのでしょうね。


 昨日お伝えした 新宿ゴールデン街の写真をバックナンバーに入れました。雰囲気はわかっていただけると思います。
https://seironsuigei.jp/2020/03/14/15976/


 先週お送りした『ヨロンブス』を、若干編集してアップしました。
 いつもT-1君に「ヨロンさん、食レポ下手ですねえ」と言われるので、なんとか上手く表現しようとしたのですが、逆に「美味い!」というひとことが言えず、よくわからない表現になってしまいました。これはやはり練習ですね。三遊亭小遊三師匠の卓球の腕前もわかるので、まだご覧になっていない方はこちらをどうぞ。

『ヨロンブス vol24 干し芋と卓球』 ゲスト:小松亜子さん
https://www.youtube.com/watch?v=0px4tW1DTXI


 トイレットペーパーの品不足は解消されてきて、在庫切れや配達遅延が続いていたアスクルでも、アスクルオリジナルは配達できるようになってきたようです。自宅の買い置きが無くなりそうな方は、こちらも検討してみたらいかがでしょうか。
https://www.askul.co.jp/m/15-0615-0615001/


■オリンピック開催判断の動きを読む

 オリンピックの開催がどうなるのか注目されていますが、このニュースを続けて読むと、裏で何が行われているのか見えてきそうです。

<東京五輪「WHOが中止勧告なら従うことに」IOCバッハ会長>
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3928676.html
<IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は、東京オリンピックについて先月中旬からWHO=世界保健機関の専門家らと定期的に協議し連携しているとした上で、「WHOが開催中止を勧告した場合には従うことになる」と話しました。>

<WHOトップ、安倍首相を称賛 異例の対応、リップサービスか>
https://this.kiji.is/611323175978861665
<テドロス氏は、日本がウイルス対策で新たに1億5500万ドル(約170億円)を、感染国への緊急支援用としてWHOに拠出したことも紹介。外交筋は「あまりにも露骨(なリップサービス)」と述べた。>

 直接オリンピック絡みではないと思いますが、日本がWHOに170億円渡したことで、最近「忖度の男」として信用度を著しく下げているテドロス事務局等が日本を称賛しました。日本としては、まだ予定どおりのスケジュールで開催しようと進めているので、WHOが延期や中止をすぐに言うことは無いでしょう。そうなるとIOCも判断しないので、結果として日本は170億円でオリンピックの開催判断を先に延ばすことができたと言えます。
 そんなことに170億を使わず、もっと国内の対策に振り向けろという批判は当然出てきますが、今の時点で延期もしくは中止となってしまった場合の影響を考えると、なんとしてもこの判断を先延ばしにして、その間に収束の道筋を立てるという政治判断なのだろうと推測できます。

 オリンピックが予定どおり開催できないであろうことは、多くの国民や海外でも考えられているでしょう。すでにホテルでも倒産しているところも出てきていますし、旅行代理店や飲食店などの倒産もこれから増えて行くことが予想されます。公共交通機関はなんとか持ちこたえるとしても、早ければ5月から選手を受け入れる予定だった自治体は迷うのではないか。コロナ対策とオリンピック対応を同時に進めなければなりません。

 無観客試合はしないということであれば、現時点で言えるのは、日本としては中止ではなく延期させる方向で話をまとめるべきだということです。
 ここで辛いのは安倍首相の立場。オリンピックを誘致するとき、首相が全面に出ることを周囲は止めたのに、「政治家はリスクを取るものだ」と勇ましく出ていって、開催権を勝ち取りました。その後、数々の不祥事が出てきても、なんとか隠れてこれたのですが、さすがに開催できなくなるかどうかという一大事では、国民に説明しなければならない。国民が「ああそうですか。そりゃ仕方ないね」と納得するためには、中止はありえない。なんとか延期させることです。
 最も影響力のあるトランプ大統領を抑えることはできたので、あとはWHOとIOC。日本が緊急事態宣言を出してしまうと、そのタイミングによっては即オリンピック中止となってしまうので、根回しをしてから宣言することになるでしょう。その点で緊急事態宣言は非常に政治的なものであると言えます。


 昨日行われた安倍首相記者会見は、ひとことで言うと「政府は今の問題をわかっているので、これから対策を打つから、みんな頑張りましょう」というものでした。それだけ。
 新たな具体策を欲している人にとっては「なんじゃこれ?」と批判したくなるものであり、近くに感染者もおらず、漠然と不安を抱えている人にとっては、とりあえず安心できるものだったのではないでしょうか。
 殺気立っていた記者からの質問も、何か新しいものや足りないことを引き出すというよりは、不安になっていることを確認する程度のもの。最後にIWJの岩上安身さんに当たったときは一瞬「おっ」と期待しましたが、「非常事態宣言が発令されたとき、報道や言論の自由は担保されるのか」という質問は良くない。「報道の自由は守られます」としか答えないのはわかっているので、意味なく茶番度を増す程度で終わってしまいました。

 産経新聞が全文を載せているので、一応リンクしておきます。「全力を尽くして」「万全を期して」「間髪入れず」「専門家の意見では」「なんとか留まっている」「あらゆる手段を使って」「最新の注意を」「慎重に」というところに注目すると、今回の会見の意図が見えてくるかもしれません。
https://www.sankei.com/politics/news/200314/plt2003140016-n1.html

 首相官邸によるライブ配信はこちら
https://www.sankei.com/politics/news/200314/plt2003140016-n1.html


 今日も漆嶋さんのエッセイをお送りします。先週の「厚揚げと生揚げ」の件では多くのコメントをいただきました。
 親が埼玉と千葉出身で、市川市在住の読者からは「子供の頃は生揚げって言っていたと思います」「生揚げは昔風の言い方ではないか」とのことでした。他に「豆腐をさっと揚げて、中が豆腐の状態のままのものが生揚げだと思います」という説明もいただきました。「北海道出身の両親は“生揚げ”でしたから子供の頃はそれに馴染んでました」との情報も。
 確かに、中身が豆腐状態のものは「生揚げ」という表現が合っていそうですが、「生揚げ」は昔良く言われていて、今は「厚揚げ」がほとんどである、ということに落ち着きそうな気がします。

 と書いていたら、半蔵門の事務所から30秒のところにあるランナーの聖地「炭や」の厚揚げを食べたくなってきました。オーソドックスの厚揚げで、外はカリっとしていて、中はフワっ。熱々で出されるので、上から醤油をじゅわっとなるくらいかけて、ほふほふ言いながら口に入れると、厚揚げの淡白な味にネギと生姜のパンチが効いて旨さが拡がります。

炭や
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13022561/


 さて、今回のエッセイはどんなテーマかな。


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【阿吽の呼吸について】

 漆嶋稔(翻訳家)

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