2020年6月17日号。<国を揺るがす事態噴出の中、国会閉会 / 「救国シンクタンク」作りました:倉山満>

<国を揺るがす事態噴出の中、国会閉会 / 「救国シンクタンク」作りました:倉山満>

 おはようございます。ヨロンです。

 昨日は一日自宅で作業していましたが、速報が何度も入ってきて、結局ニュースを追いながらいろいろと連絡を取っていて一日が終わってしまいました。まったく歩かないのに、しっかり3食摂るので、体重計に乗るのが怖い。

 明日19時から、『新・血気酒会』を行います。今回はYouTube、Facebook、そしてZoom(予定)のいつものスタイル。詳細は明日お伝えします。


 突如発表されたイージス・アショア計画の停止に関する混乱は、ある意味政府と国会の役割が機能していることを示しているのかもしれません。ブースターの落下場所など、今までだったら政府与党内で揉んで、開発に12年かかろうと配備計画を進めるという方針もあったでしょう。しかし、政府として与党に相談無く実質的な中止を決めたために、自民党内の防衛相経験者を中心に激しい抗議が噴出したのは、当然のこと。
 特に、あの物静かな小野寺五典元防衛相が怒り心頭なのは、今まで地元に対して嘘を言ってきたことになってしまったので、地元と築いてきた信頼が失われてしまったからでしょう。事前に相談を受けていれば対応も考えられたのに、と。

 そこに被さるように届いた北朝鮮による南北共同連絡事務所爆破のニュースは、混乱に拍車をかけることとなりました。
 それにしても、昨日の観音さんのことばを借りるとすると、金与正のグロテスクさよ。コロナ対策で中国との国交を閉ざし、経済制裁も解除されない北朝鮮の追い詰められた背景があるとしても、助けを求めるのではなく、体制批判に報復するという名目で駄々をこねるという北朝鮮の常套手段を躊躇なく加速させるのは、あの面構えが一層ふてぶてしく見えます。

 今後、軍事的にくすぶってきて米韓両軍が動き始めると、防衛省も対応を検討しなければなりません。先のイージス・アショアに代わる国防計画の策定を進めないと、国民の不安も増大することになります。
 拉致問題も心配なところ。実は「北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」(拉致問題対策特別委員会)は、一昨日開かれる予定だったものの、土壇場で開かれませんでした。これで昨年5月から全く質疑が行われていないまま、秋の臨時国会まで何も動かないことになりました。拉致問題担当大臣の菅官房長官は、何か進めているとは思いますが。


 昨日取り上げた広島地方裁判所での判決は、河井案里参議院議員の公設秘書に懲役の判決が下りました。これで控訴しなければ有罪が確定し、検察が連座制適用の行政訴訟を起こして、案里議員の当選が無効となります。
 河井夫妻が自民党離党を決めたのは、逮捕を前提としたものでしょう。この場合の逮捕は昨日の判決とは別の買収行為に対するもの。どちらも犯罪ですが、これから捜査・起訴される買収行為はかなり悪質で、河井克行元法務大臣が逮捕となると、その原資となった1億5千万円の出どころまで司直の手が入るので、政界は大きく揺らぎます。そのための自民党離党と、二階幹事長による「影響及ぼす大物ではない」発言があります。

 ここにきて、国際情勢も国内も歪みが出てきた上に、8月内閣改造、10月解散が噂され、11月アメリカ大統領選挙でもしものトランプ敗退と、日本政府にとっても大きな動きが予想される中で、今日、国会は閉会します。


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「救国シンクタンク」作りました

 倉山満(憲政史研究者)

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