2020年1月30日号。<一芸百芸 ~「名前だけでも上手に書きたい」という方へ~:水島二圭>

 おはようございます。ヨロンです。

 冷たい雨の一日だったかと思えば、昨日は汗をかくくらいの陽気で、体調を崩しそうです。

  昨日、読者でランナー仲間の須賀さんから、私のコメントが中日新聞の記事に出ていたことを教えていただきました。取材を受けたことを忘れてた。
豊田市長選挙(愛知県)での候補者のネット利用に関する件です。
「立候補を表明している若い新人候補者が、告示前なのにネットを使った事前運動のようなものをしていて警察からも注意を受けているので、コメントが欲しい」ということだったのですが、見てみたらあまりにも酷すぎたので、「こんなのネット選挙でもなんでも無いですよ。まだ告示前ですけど、泡沫候補で終わるでしょうね」などとこき下ろしたので、掲載は気にしていませんでした。

 記事になったのを見てみたら、さすがにこき下ろしているところは避けて、まともなコメントを載せてくれていたので、その部分を引用しておきます。

<ネット選挙、課題浮き彫り 豊田市長選、市議補選>
https://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20200129/CK2020012902000243.html
<■ネット選挙の功罪
ネットを使った選挙運動の長所は何か。政治コンサルタントの高橋茂さん(59)は「幅広い層に選挙を意識してもらうきっかけとして、とても有効」と話す。「ウェブサイトが選挙事務所で、SNSがビラだとイメージすると分かりやすい。SNSからサイトに誘導し、主義主張にじっくり目を通してもらえば、大きな効果が得られる」と説明する。
くしくも、市議補選になった原因は、SNSで虚偽の情報を流して提訴された市議の辞職だった。ネットは良くも悪くも気軽に投稿できる。高橋さんは「選挙運動でネットを使うのは当然だが、やり方を見極めないと公職選挙法違反につながる」と警鐘を鳴らす。>

 肩書が「政治コンサルタント」になっています。以前、中日新聞や東京新聞の取材を受けたときもそうだったので、そのまま使ったのでしょう。
今晩の『報道1930』では「ネット選挙コンサルタント」になるそうです。怪しい……。
番組には「最近は『ポリティカル・ストラテジスト』という肩書にしているので、これでいかれないか」と聞いたのですが、「高橋さんの仕事を説明するのに、わかりやすいのは『ネット選挙コンサルタント』なので」ということでした。どちらの肩書も日本ではひとりだけなので良いのですが。今後は『ポリティカル・ストラテジスト』に統一させます。

今晩もその話になると思いますが、特に政治が絡むネット情報となると、提供側のメディアで閲覧者の思想信条や嗜好に合わせて選別され、受け取る側も自分に合った情報を取捨選択します。

 例えば、新型肺炎について。
昨日のメールで、武漢市からの帰国者に8万円の負担を強いることへの違和感を書いたところ、同じく違和感を感じたアゴラの新田さんが記事を掲載しました。
<政府のチャーター機「有料」を野党が非難できない理由>
http://agora-web.jp/archives/2044032.html
<民主党政権時代も「有料」外務省の規定とは?
これまでにも日本政府は海外有事でチャーター機を出してきた前例はあるわけだから、役所がなんらかのルールに基づいて動いてきたことは想像がつく。実際、過去の記事をググってみると、民主党政権下の2011年2月、当時のエジプトで反政府デモの拡大時に、日本人観光客をイタリアまで退避させた際に政府のチャーターした便についても利用者1人あたり3万4000円の負担だったこともわかる。>

 外務省の規定で、チャーター機については相応の負担を求めるということなので、今回の措置も理解できます。しかし違和感は残る。
政情不安や紛争地域であれば、それも致し方ないと思えるのですが、今回は安全だった地域で起きたパンデミック。自己責任を問えない状況下での政府主導の帰国措置となるので、紛争地域からの救出とは異なるのではないかと思うのです。

 ネットでは、野党議員が「国の負担にすべきだ」と主張するのに対し、与党支持者は上記のような根拠で応じる構図となりました。これは今までもよく見られていた構図ですが、二階幹事長が「8万円は国が負担すべき」という見解を出したことで、左右の対立ではなくなりました。
<自民・二階幹事長が武漢からのチャーター機搭乗代8万円を国が負担すべきとの考え示す>
https://www.fnn.jp/posts/00050038HDK/202001291724_FNN_HDK
<新型コロナウイルスの感染が拡大している中国・武漢市から日本人が帰国する際のチャーター機の搭乗代金8万円について、自民党の二階幹事長は搭乗者ではなく国が負担すべきだとの考えを示した。>

 二階氏は、世論を敏感に感じてコメントしたのだと思いますが、本来はこうあるべき。三権分立なんだから、与党と言えど政府に注文を付けても問題無いわけです。別に「国が」ではなく、「邦人を常駐させている企業も負担すべき」でも良いでしょう。

 また、よく言われている「国会では、野党は桜しか関心無いのか」という指摘。確かに報道を見ていると、そう感じます。この緊急事態で桜や案里かよ、と。
しかし、よく見ていくと、緊急事態だということで厚生労働委員会を開き対応策を審議すべきだとする野党に対し、拒否している与党の姿もあり、こちらはほとんど知られていません。
<「野党は新型肺炎の質問をしない」と攻撃する与党、対策のための「厚生労働委員会」開催要請を放置していた>
https://buzzap.jp/news/20200129-corona-virus-japan/

 現在問題にされているのは予算委員会での質疑。まずは厚生労働委員会を開くべきではないか、という主張は理にかなっているように見えます。
ただ、この記事は野党寄りのものであり、そのまま鵜呑みにせずに「そうなのかな?」くらいで見るのが良さそうです。本当は、副大臣になってしまってコメントを貰いづらくなっている橋本岳さんにも聞いてみたいところ。
野党も、「桜ばかりでうんざり」と批判されているのがわかっているのだから、予算委員会で「なぜ構成労働委員会を開かないのか」と大臣に詰め寄れば良いのに。国会運営の何かがあるのかもしれませんが。

『××な日々。』の1年更新を機に、いろいろなコメントをいただいています。昨日はじっくりと読ませていただきました。
ほとんどは激励のメッセージなのですが、多少厳しい意見もあります。「ゲストに頼り過ぎではないか。主張も何かに気を使っているように見える。もっとハラハラするようなものが欲しい」と言った意見もあり、これは「ヨロンさんの応援団としてのエール」ということでありがたい限りです。「もう、そんなに勝谷さんを意識しなくても良いですよ」という温かいコメントもありました。

 たしかにゲストには頼っていますが、それで良いとも思います。基本的には私のことを知らない方々に読んでいただいているわけですから、自分のことや感想を書き綴るよりは、全く分野の異なるプロの方の文章に触れることは貴重で、メリハリを付けながら続けていくのは良いと思うのです。

 水島二圭先生のコラムからも、この一年いろいろなことを学ばせていただきました。人間にとって「書く」というのは基本的な能力であり、日本語は私たちが持つ財産でもあるので、毎週専門家から教えてただけるのは贅沢なことだと言えます。

 ゲストのときは頼って、私は控えめに。ひとりのときは勉強しながらじっくりと。
今年は、さらに多彩なゲストも検討していますし、読者からのお便りを紹介する日を設けることも考えています。

 とりあえず、今日は初のテレビ生放送に行ってきます。髪の毛染めて、歯も入れました(笑)

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一芸百芸  ~「名前だけでも上手に書きたい」という方へ~

水島二圭(書家)

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