2019年12月16日号。<1年後に「今の日本は世界に見せたい日本ですか?」と言えるだろうか / 中村哲医師の合同葬で足りなかったもの / 島根観光のために「ANALパック」が欲しい>

 おはようございます。ヨロンです。

『いだてん』最終回。凄かった。にわか大河ドラマファンの私は全話観てきましたが、低視聴率が信じられないほど楽しみました。
 そして最終回。感動の連続で、涙を止めるのが難しいくらい。最終回でこんなに豊かな満足感を得られる大河ドラマは、他にもあったのでしょうか。
 脚本も緻密で作り込まれていながら遊びや風刺もあり、クドカン本領発揮といったところ。

 ちょうど、松江城の前で『いだてん』にも登場した”近代スポーツの父”岸清一氏の銅像を見てきたこともあり、昼からテンションが上がっていました。
 見どころはいろいろとありますが、圧巻だったのはVFXでした。どうやって撮影したのかと食い入るように見入ってしまった。
<『いだてん』は日本屈指の“特撮ドラマ”だった! 最終回の国立競技場にはVFXの総力を結集>
https://realsound.jp/movie/2019/12/post-460600_2.html
<ーー最後に、最終回のVFXの見どころを教えてください。
井上:なんといっても国立競技場です。ロケはスタジアム2カ所と、セットも立てて、ほとんどのショットにVFXの威力が発揮されています。その再現性しかり、スケールも圧巻。これでもかと技が繰り広げられます。最後にはVFX映像で泣けます!>

 最終回では、「ちゃんぽんの店 水明亭」が出てきます。実は勝谷さんの見舞いに大江戸線の国立競技場駅で降りて慶応大学病院に行く途中で、この店の前を通るのです。
 残念なことに、昨年の10月末で閉店してしまいました。いつもこの店の前を通るたびに、「ああ、ちゃんぽん食べてえ」と思いながら病院に向かっていたので、「水明亭」の字が見えた途端に、なぜか涙が止まらなくなりました。結局、ちゃんぽんは食べられなかった。

 そして田畑政治のことば。嘉納治五郎の肖像画と対話するシーンで
「今の日本は世界に見せたい日本ですか?」
雨の学徒出陣から、血のにじむような努力を経てオリンピック開催に漕ぎつけ、最後は日本晴れの国立競技場で最高のフィナーレ。
 金栗四三、三島弥彦の日本人初の出場から1964年まで。関東大震災や戦争を乗り越えて実現した東京オリンピック。
 世界に日本を誇ったオリンピックから56年。来年見せる日本は、本当に世界に見せたい日本になるのでしょうか。

 細かなところまで語ると、それで終わってしまうので、これくらいにしておきますが、来年の大河ドラマが心配になるほどでした。鎧も刀も血しぶきも出てこない大河ドラマを、これだけの完成度で見せられてしまうと、今後の大河がつまらなくなってしまわないか。しかも来年は明智光秀。うまく気持ちを切り替えることができるのかな。

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